前回、vol.70 荻窪団地 の続き。

荻窪団地は終末感漂う万里の長城状態の単身棟だけでなく、幾つかの異なるタイプの団地群で形成されている。
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敷地の東側には5階建ての団地、典型的なファミリータイプが並ぶ。
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上のベランダとは逆側から望む。
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並ぶ団地の間には中庭のような緑地が設けられている。奥に見えるのは、いち早く建て替えが進んだシャレール荻窪。
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団地のナンバーはタイルパターンになっている。このタイプは意外とよく見受けられる。

これらの北側、単身棟との間には、3棟のスターハウスが。
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スターといっても上空から見るとY字型なのだが、1フロア3室ほどの小規模アパートである。
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複雑な形状でコスト高であることと、大量生産向きでないことから昭和30年代末には作られなくなるが、だったら最初から計画しなきゃいいのに(笑)
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しかし当時は、まだ町並みとして外から見られることを重視した建築計画という戦前の感覚が施工側に残っていたのかもしれない。

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正面入口から入ったところ。回覧板が刺さっていたりと生活感が感じられるが、掲示板には立ち退きに関する貼紙が多数貼られていた。
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螺旋状の階段を見上げる。
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踊り場から入口方面を見る。
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踊り場から手すり越しに外を見る。通常の団地の階段室からとはまた少し違った光景に出会えた。

次は最後、取り壊しまでに二度ほどだが通って見かけた変化を比べてみたい。
(続く)