過去記事のvol.68でvol.1を紹介して以来となるが、機動警察パトレイバーの劇場版ロケ地を巡りながら食べ歩く、拙ミニコミ同人誌『パトめし!』が気づけばvol.5【詳細紹介ページ】まで続いている。というわけで、委託先の第二版には載せているが、イベントで初売りとなった初版には載せきれなかった、臨海部のレポートを短めだがここに公開しておきたい。
その間、告知せず申し訳ないが、看板建築を筆頭とした路上観察から、産業遺産や廃線跡、計画倒れとなった鉄道の未成線といった、あるはずだった未来の首都の痕跡を辿る旅となって来ている。
ロケ地巡りとしては最終巻となったvol.5は昨年末のイベント(冬コミ)で発行し、年明けて1月中に一部委託先書店模索舎・タコシェ・COMICZIN・とらのあなへの納品が完了した(これら書店ではバックナンバーもまだ扱って貰っている所も多いので【委託先在庫一覧参照】)。
浜松町駅周辺は嘗て江戸三大貧民窟の1つが存在し、駅南側の運河には屋形船が浮かぶ、そんな江戸~戦後にかけての雰囲気を未だどこか感じさせる町。
未だ屋形船たゆたう古川を金杉橋から望む。この先で芝浦運河になる。首都高が蓋をしている。
川の裏手、屋形船を所有する船宿は、浜松町駅のスグ近くにあった。
こういう風景に出会うと、ついフラフラと散策したくなるが、ここから東京湾へ出ようとすると、JRの線路に阻まれ川沿いに歩くことが出来ない。
一旦駅まで行かないとダメかと思った矢先、JR高架をアンダーパスする通路の、まるでダンジョンのような入口を発見した。
オレンジの明かりが等間隔に灯る程度で、なにやら山間の手彫りのトンネルのような雰囲気がある。
ココを抜けると慢性渋滞地点として知られる首都高浜崎橋JCTのウネりを見上げることが出来る。
JCT下には幾つかの運河が交差している。運河ベリには高層ビルが並び、傍らに遊歩道が整備された湾岸らしい風景が広がる。
この先に日の出桟橋があり、国際展示場へも行く水上バス発着所となっている。
桟橋に行ってみると水上バスの他に客船も停まっていて、その奥にお台場や月島周辺の高層ビル群が蜃気楼のように見える光景が広がる。
そういえばもう10年近く前になるだろうか、桟橋の手前、海岸通り沿いのゆりかもめ直下に何やら埠頭と内陸を分かつかのようにレールのような溝があったのを思い出し行ってみると…
おおっ、まだあった!
よく見るとゲートが走るようで、脇に小さな移動式の堤防のようなものを発見した。
近づいてみると「東京都港湾局陸上防潮扉」とあった。
波が高くなった時などにここから滑車でガーッと横にスライドして防波堤の役目をするのだろうか。それにしては背が低い気もするが。
まぁそんな姿がどこかトマソン(無用長物)チックで愛らしく思えるのだった。